「ジョー・パスがジャズマスターを弾いていたらしい」と聞いて、気になって検索したあなたへ。
でも同時に、「ジャズマスターってジャズで使えるの?」「フルアコじゃないと無理?」と不安にもなりますよね。
結論から言うと、ジャズマスターでもジャズはできます。
ただし、ソリッドらしい輪郭が出やすいぶん、弦・つまみ・弾き方のコツを押さえるのが近道です。
| よくあるモヤモヤ | この記事での解決 |
|---|---|
| ジャズマスターでジャズって変? | ジャズっぽさを作る3要素と、寄せ方をやさしく解説します。 |
| ジョー・パスの“ジャズマスター話”の真相が気になる | 混同されやすいポイントも含めて、落ち着いて整理します。 |
| 具体的に何を変えればいいの? | 弦・回路・アンプ・右手の“基本レシピ”を表つきで紹介します。 |
読み終わる頃には、あなたのジャズマスターで「まず何から試せばいいか」がスッキリしているはずです。
そして何より、ジャズが少し身近に感じられて、続きを弾きたくなると思います。
この記事でわかること
- ジャズマスターをジャズに寄せるための最短セッティング。
- ジョー・パスと“オフセット期”が語られる理由の整理。
- 右手と左手で作る、ジャズらしい音の所作。
- ジャズマスターあるあるトラブルのやさしい対策。
ジャズマスターでジャズは弾ける?まず答えを先に
結論から言うと、ジャズマスターでもジャズは弾けます。
むしろ「弾けるかどうか」よりも、どう寄せるかを知っておくと安心です。
ジャズマスターは“ジャズ専用機”として作られたのに、歴史的には別ジャンルで愛されてきた子なので、なおさら誤解されやすいんですよね。
でも大丈夫です。
ポイントを押さえれば、ソリッドでもふわっと丸い“あの雰囲気”はちゃんと作れます。
ジャズトーンに必要な3要素
ジャズらしく聴こえる要素は、ざっくり3つです。
①アタックが角張りすぎないこと。
②中低域が痩せず、音が前に出ること。
③音の“長さ”をコントロールできること。
この3つが揃うと、ギターがフルアコでもソリッドでも「ジャズっぽいね」と言われやすくなります。
逆に言えば、ジャズマスターのままでも、この3点を作れるなら勝ちです。
ジャズマスターの強みと弱み
ジャズマスターの強みは、ネック側の太さと、音の広がりです。
特にネックピックアップは、ほんの少しトーンを絞るだけで、丸くて優しい方向へ動いてくれます。
一方で弱みは、弦やブリッジの状態によって「シャリッ」「ザラッ」とした成分が出やすいことです。
だからこそ、セッティングで“角を取る”のが近道になります。
こんな人に向いてる・向いてない
ジャズマスターでジャズに挑戦したい人に向いているのは、「自分の音を作るのが好き」なタイプです。
つまみや弦選びで音が変わるのが楽しいなら、ジャズマスターはすごく良い相棒になります。
反対に、何もしなくても最初から完成形の“箱の甘さ”が欲しいなら、フルアコやセミアコのほうが早いです。
ただ、ジャズは“正解の音”が一つじゃないので、ジャズマスターで始めるのは全然アリです。

ジョー・パスが“ジャズマスター?”と語られる理由
ここで出てくるのが、Joe Pass(ジョー・パス)です。
「ジャズギターの巨匠」として名前を聞いたことがある方も多いと思います。
そして検索すると出てくるのが、「ジョー・パスがジャズマスターを弾いていたらしい」という話題です。
この“らしい”が、ちょっとややこしいポイントでもあります。
“フェンダー期”の逸話と背景
ジョー・パスには、若い時期にフェンダーのオフセット(ジャズマスター/ジャガー系)を手にしていたと語られる時期があります。
当時の映像や写真が話題になっていて、「えっ、そのギターでジャズやるの?」と驚かれがちです。
でも、そこで聴こえてくるのは「やっぱりジャズだな」と感じるフレーズだったりします。
つまり、楽器のタイプよりも、奏法と音作りのほうが大きいんですね。
ジャズマスターとジャガーの混同ポイント
ここで大事なのは、映像で確認できる個体が“ジャズマスターではなくジャガーに見える”と言われることがある点です。
オフセット形状が似ているので、ぱっと見で混同しやすいんです。
見分けのコツは、ピックアップとスイッチ周りです。
ざっくり言うと、ジャガーは金属の「囲い」っぽい見た目や、独特のスイッチ配列が目立ちやすいことが多いです。
一方ジャズマスターは、幅広のシングルコイルが“平たく大きく”見えるのが特徴です。
このあたりを知っておくと、検索中に「ジャズマスターって書いてあるけど、画像はジャガーかも?」と落ち着いて判断できます。
| チェック項目 | ジャズマスターっぽい | ジャガーっぽい |
|---|---|---|
| ピックアップの見た目 | 幅広で平たいシングル | 金属パーツや囲いが目立つことが多い |
| コントロール周り | リズム回路(上側)+リード回路(下側)の二段構え | 独特のスイッチ群が多く見える |
| 印象 | “ふわっと太い”と言われやすい | “パキッと芯が出る”と言われやすい |
「ジャズは楽器を選ばない」を証明したこと
ジョー・パスの話題が面白いのは、ここです。
「ジャズマスター(やジャガー)でジャズは無理でしょ」という先入観を、演奏でひっくり返してしまうところです。
だからこそ、ジャズマスターを手にしている人が勇気をもらえるんですよね。
あなたの手元の一本でも、音作りと弾き方で十分ジャズに寄せられます。

セッティングで8割決まる:ジャズ寄せ基本レシピ
ここからは実践編です。
ジャズマスターでジャズをやるなら、まずセッティングを味方につけるのが最短ルートです。
「指が追いつくまで待とう」と思うより、音がジャズ方向に寄るだけで練習が楽しくなります。
特に“丸さ”はセッティングで作りやすいので、ぜひ試してみてください。
弦選び(フラット/ラウンド、ゲージ)
ジャズ寄せで一番効くのは、弦です。
定番はフラットワウンドで、アタックが丸くなりやすいです。
ただ、いきなりフラットが不安なら、ラウンドのまま太めにするだけでも雰囲気は出ます。
| 目的 | おすすめの弦 | 音の変化 |
|---|---|---|
| 最短でジャズっぽく | フラットワウンド(太め寄り) | 角が取れて、しっとり太くなりやすい |
| 弾きやすさ重視 | ラウンドワウンド(少し太め) | 普段の感覚を保ちつつ、厚みが出る |
| まずは試し | 今の弦のまま | つまみと弾き方で寄せる練習になる |
ジャズマスターはスケールが長めでテンション感が出やすいので、ゲージアップは“少しずつ”が安心です。
指が痛くなると続かないので、やさしくいきましょう。
ギター側のつまみ(リズム回路・トーン・PU)
次に効くのが、ピックアップとトーンです。
迷ったらネックピックアップ+トーン少し絞るが基本になります。
ジャズマスターには、上側にリズム回路が付いているモデルが多いです。
この回路は“暗めのネック”を作りやすいので、ジャズ寄せと相性が良いです。
ただし暗くしすぎると抜けなくなるので、まずは「ほんのり」からがちょうど良いです。
| シーン | おすすめ | ひとこと |
|---|---|---|
| バラード | ネックPU+トーン控えめ | 柔らかさと余韻を作りやすい |
| スウィング | ネックPU or センター | 輪郭が欲しいなら少しだけ明るく |
| ソロを前に出す | センター+トーン少し開く | 抜けと太さの両立を狙う |
「ジャズ=絶対ネック」と思いがちですが、曲やバンド編成で正解は変わります。
だからこそ、つまみを触ること自体が“ジャズの練習”になります。
アンプとエフェクト(EQ、リバーブ、コンプ)
アンプはクリーン寄りが基本です。
歪みはゼロでもいいし、ほんの少しだけ毛羽立つ程度でもOKです。
大事なのは、耳に痛い高域を抑えつつ、中域を痩せさせないことです。
リバーブは“かけすぎない”ほうがジャズっぽくまとまりやすいです。
コンプレッサーを使うなら、薄くかけてアタックを整えるイメージが合います。
音作りは難しく考えず、「少し丸く、少し前に」を合言葉にしてみてください。
右手と左手の“品の良さ”を作るコツ
セッティングで土台を作ったら、次は弾き方です。
ジャズっぽさは、速弾きよりも“音の所作”に出ます。
ここが整うと、同じコードでも一気に雰囲気が変わります。
ピッキング位置と角度
ピッキング位置は、ブリッジ寄りよりも少しネック寄りが丸くなりやすいです。
ピックの角度は、弦をえぐるよりも“撫でる”方向が優しい音になりやすいです。
厚めのピックや、指弾き寄りのアタックも相性が良いです。
あなたが女性で手が小さめでも、ここは力ではなくコツなので安心してください。
ミュートと音価(短くしすぎない)
ジャズのコンピングは、音を短く切りすぎないのがポイントです。
逆に、伸ばしっぱなしでも濁るので、ほんの少しだけ整える感覚が大事です。
右手の軽いパームミュートや、左手のリリースで調整すると自然にまとまります。
“気持ちよく揺れる長さ”を探すのが、ジャズっぽさの近道です。
ボイシングとテンションの入れ方
ジャズらしくするなら、まずは3度と7度を意識すると一気にそれっぽくなります。
難しいテンションを詰め込むより、少ない音で和声感を作るほうが綺麗に聴こえます。
9thや13thは、入れるなら一音だけでも十分です。
「足し算より引き算」くらいの気持ちで、上品にまとめてみてください。

ジャズマスターあるある問題と対策
ここは“安心コーナー”です。
ジャズマスターは個性が強いぶん、つまずきポイントもわりと有名です。
でも、原因がわかると冷静に対処できます。
ノイズ・ハムが気になる
シングルコイル系の宿命として、環境によってはハムが出ます。
まずは照明やPC周りから距離を取るだけでも変わることがあります。
あとは、トーンを少し絞るだけで耳に刺さる成分が減って、体感のノイズが目立ちにくくなります。
どうしても気になるなら、シールドやシールディングなど“できる範囲”からで大丈夫です。
弦落ち・ビビり・ブリッジ問題
ジャズマスターはブリッジ周りで悩む人が多いと言われます。
特に弦のテンションが低いと、強いピッキングで弦が動きやすくなります。
対策としては、弦を少し太くする、弦高を見直す、ネックの角度を微調整するなど、段階的に試すのが安全です。
部品交換を検討する場合も、いきなり高価なものに飛ばず、相性を見ながらでOKです。
| 症状 | まず試すこと | 次の一手 |
|---|---|---|
| 弦が落ちる | 弦を少し太く/弾き方を柔らかく | サドル形状の見直し |
| ビビりが出る | 弦高とネック状態の確認 | 全体調整(不安ならリペア相談) |
| 共振が気になる | 不要な部分のミュート | パーツやセットアップの最適化 |
チューニング不安とトレモロの扱い
トレモロ付きはチューニングが不安、という声もあります。
ただ、アームを多用しないなら、ナットや弦の張り方のほうが影響することも多いです。
まずは弦交換の基本(巻き数、締め方)を丁寧にするだけでも安定しやすくなります。
不安な時は、信頼できるお店で一度セットアップしてもらうのがいちばん安心です。
今日から試せる実例メニュー
「理屈はわかったけど、何を弾けばいいの?」となりがちなので、すぐ試せる形にします。
ジャズは曲が山ほどあるのですが、まずは“ジャズっぽく聴こえる骨組み”を体に入れるのが近道です。
ここは難しいことをしません。
短いメニューで、音の変化を楽しみましょう。
Ⅱ-Ⅴ-Ⅰを“ジャズっぽく”聴かせる
定番は、Dm7 – G7 – Cmaj7のような進行です。
まずはコードを鳴らして、ネックPUとトーンで丸さを作ってみてください。
次に、3度と7度が入る押さえ方に変えると、急に“それっぽさ”が出ます。
弾くリズムは、全部ジャラーンよりも、少し間を空けるほうがジャズっぽく聴こえます。
1曲で体感する:バラード/スウィング
バラードでは、音を急がず、余韻を大事にするとジャズっぽさが出ます。
スウィングでは、コードを全部鳴らすより、短いコンピングで“会話”を作ると雰囲気が出ます。
ここで大事なのは、速さではなく、音の落ち着きです。
ジャズマスターはつまみの変化がわかりやすいので、曲の途中で少しだけ調整してみるのもおすすめです。
録音してチェックするポイント
自分の音は、弾いている最中より録音のほうが客観的にわかります。
スマホでOKなので、30秒だけ録って聴いてみてください。
チェックするのは、アタックが硬すぎないか、音が痩せていないか、余韻が不自然に切れていないか、の3点です。
この3点が整うと、ソリッドでも驚くほどジャズっぽく聴こえます。
これから買うなら:ジャズ用途のジャズマスター選び
最後に、これからジャズマスターを選ぶ方向けです。
「ジャズ用にジャズマスターって、ややこしい名前だなあ」と思いつつ、実は選び方はシンプルです。
あなたが求めるのは、“キラキラ”よりも“まろやかさ”のほうだと思うので、その前提でまとめます。
ピックアップと回路の違いで選ぶ
まずはピックアップのタイプを確認すると失敗しにくいです。
クラシック寄りのシングルは、トーンを絞った時の“粘り”が作りやすいことが多いです。
一方でハムバッカー寄りの仕様は、最初から太さが出やすい反面、好みが分かれることもあります。
回路は、リズム回路付きだと暗めのネック音を作りやすいです。
ただし回路の使い方は好みなので、「必須」ではなく「あると便利」くらいで大丈夫です。
ネック・指板・スケールの相性
ジャズは押さえ方が繊細なので、ネックの握りやすさは大事です。
手が疲れやすい方は、太すぎないネック形状や、弦高が無理なく下がる個体を選ぶと続きやすいです。
指板の材は好みですが、音の印象にも触り心地にも影響します。
見た目のときめきも大事なので、好きなカラーや雰囲気も遠慮なく優先してOKです。
中古で見るべきチェックリスト
中古で選ぶなら、まずネックの状態とフレットの減りを見ておくと安心です。
次に、ブリッジ周りのガタつきや、ビビりが出やすいセッティングになっていないかを確認します。
最後に、スイッチ類やノブが正常に動くかをチェックします。
不安なら、お店で試奏して「ネックPUでトーンを絞った音」が気持ちよく出るかどうかだけでも判断材料になります。
まとめ
ジャズマスターでジャズをやるのは、ちょっと遠回りに見えて、実は“自分の音作り”が育つ近道です。
ジョー・パスの話題が面白いのも、楽器の型を超えて「結局は音楽だよね」と思わせてくれるからです。
最初から完璧な甘さを求めなくても大丈夫です。
弦とつまみと右手の当て方を少し整えるだけで、ソリッドでもちゃんとジャズの表情が出てきます。
この記事のポイントをまとめます。
- ジャズマスターでもジャズは弾けて、寄せ方を知ると安心です。
- ジャズっぽさは「角のないアタック」「中低域」「音の長さ」で作れます。
- ジョー・パスの話題は“オフセットでジャズ”の象徴として語られやすいです。
- ジャズマスターとジャガーは見た目が似ていて混同されやすいので要注意です。
- 最短で雰囲気を出すなら、弦(フラット/太め)が効きます。
- 迷ったらネックPU+トーン少し絞るところから始めるのが安全です。
- リズム回路は暗めのネック音を作りやすく、ジャズ寄せに便利です。
- ピッキング位置と角度で、音の“品”は大きく変わります。
- 弦落ちやビビりは段階的に対策でき、慌てなくて大丈夫です。
- 録音して3点(硬さ・痩せ・余韻)を確認すると上達が早いです。
ジャズマスターは、ただの「変わった形のフェンダー」ではなく、触れば触るほど“音楽の作り方”を教えてくれるギターです。
ジョー・パスのように、楽器の枠に縛られずに音楽を成立させる姿に憧れてしまうのも、きっと自然なことだと思います。
今日できる一歩は、ネックPUにしてトーンを少しだけ絞り、ピッキング位置を少しネック寄りに変えてみることです。
それだけで、あなたのジャズマスターが「ちゃんとジャズを話しはじめる」瞬間が来るはずです。

